俺は、母親が用意してくれた夕食を軽く

摂ると、すぐに自室へと入って行った。



しかし、何も手につかずただ部屋の中を

意味もなく歩き回るしか、出来ずにいた

んだ。



毎日、行動を共にしていた仲間の失踪。

それが一瞬のうちに消え去ってしまった

恐怖。

そして後悔。




「俺が花火なんてやろうと話したから、

オサムは……」



そのたわいもない一言が、オサムの人生

を狂わしてしまった。



そして周りの人間をも巻き込んで。



取り返しのつかないことになった事への

恐怖や後悔だけが、俺の頭の中を支配し

て行くのだ。