俺たち四人は満月の夜が来たことを、口

には出さなかったが不安に感じていたの

だろう。



誰から言い出す訳でもなく、俺たちは夜

の公園で集まり話し合っていたんだ。



それはたわいもない会話。

普段のはしゃぎ声。



無理にでも、そうすることでお互いの不

安を消し去ろうとしていたのだ。



「花火でも持ってくればよかったな」



俺がそう話していると、オサムがその話

に乗ってきたのだ。



「ほんまやな! 花火したいよなぁ。

俺、たぶん余ってたのがあるから持って

来るわ! ちょっと待っててや!

すぐに戻るからさ!」



そう言うとオサムは、すぐに走り去って

行ったんだ。



「オサム、前みたいに元気になってきて

良かった……」



マキちゃんが、優しい表情でそう話す姿

を俺は見つめていた。