マキちゃんの父親に話を再び聞いてから

は、極力その話題には触れずに過ごして

いた。



俺は、頭にその内容が浮かんでも、すぐ

に振り払うように別の事を考えるように

していたのだ。



早く普段の不安の無い生活に戻りたかっ

た。



いつものように家族と話し、仲間とは笑

い合い、カオルとは愛を囁く日々に。




しかし、八月も半ばに差し掛かった頃、

村に咲くヒマワリの明るさとは真逆の、

悲しすぎる事が起きてしまう。



たわいもない一言から始まった、取り返

しのつかない事が。



それはまたしても満月の夜。