あなたには見えますか…………

俺がさっきまでいたお寺に目を向け、今

いる外の空気感との違いを実感している

と、カオルがゆっくりと話す声が聞こえ

てきていた。



「この話をオサムに伝えないと行けない

んだよね。

上手く伝える自信が、私には無いや」



「私がまたオサムには、この事は話して

おくから、大丈夫だよ」



「ありがとう、マキ。

でもオサムなら、こういった話を聞かな

くても、満月の夜に押し入れを開ける事

は無さそうだけどね。

あんなに怖がりじゃさ。

今日も来なかったくらいだし」



「俺もそう思うよ。でも逆にオサムは、

聞かなくて良かったのかもな。

もし聞いていたら、今頃まだ動けずにお

寺の中にいてそうだし……」



俺たちはそう話しながら、今までいたお

寺に背を向け帰ろうと足を進めていた。



その時俺は、お寺から俺たちを笑って見

ている女の子がいるような気がして、足

を早めていた。