「オサムのやつ、遅くないか?」



俺が時間を見ながら話していたが、既に

待ち合わせを20分も過ぎている。



「まさかとは、思うけど……オサム逃げた

りしてないよね?」



カオルが、イライラしたような口調で話

し出していた。



「俺、オサムにメール入れてみたんだが

返信がないんだよな……」



「オサムのやつ……きっと怖くなって来な

いつもりだよ……最低だわ……約束をして

たのに」



「オサムって小さい頃は、怖がりのイメ

ージはなかったんだけどなぁ。

どっちかというと、そういった話には興

味深々って感じだったんだけど」



俺達は、マキちゃんの父親をこれ以上待

たすわけにもいかず、先にお寺の方へと

歩き出していたんだ。