「ちょっとー! オサム怖がりすぎじゃ

ないの? そんなに弱虫だったっけ?」



カオルがバカにしたような口調で話しか

けてはいるが、その挑発にも乗らず、オ

サムは仕方なしに、小声で答えているの

がすぐに分かった。



「わかったよ……行けばいいんだろ……」



「じゃあ、決まり! 夏休み入ったその

日に行こうよ! ねっ!」



カオルは、怖さもあるのだろうが、好奇

心が強いだけにワクワクした感じにさえ

見えている。



そして俺達は、夏休みを迎える事になっ

たんだ。



それは、村の言い伝えの悲しみや、怖さ

を知ることになってしまう。



そして……

興味本意で話に入ってしまったことの、

後悔もまた覚えてしまうのだ……