「ちょっと、オサム! また逃げようと

してるでしょ? 情けないなぁ。

こんな話になるとさ!」



カオルが嫌みを言い出しているのだ。

日頃のイライラを爆発さすように。



「怖くねぇよ。ただ……」



「ただなによ?」



「ただ、俺の部屋に押し入れがあるから

さ、また気味が悪くなるだろ?」



「やっぱり怖いんじゃん! かっこわる

ーい」



「じゃあ、カオルちゃんは平気なのか?

もし、押し入れを開けて誰かと目があっ

たらどうするんだよ……」



「そんなのいるわけないでしょ?」



カオルとオサムが、話し合っていると、

マキちゃんが話に入って来たんだ。



「カオル、本当かもしれないよ……

その言い伝えは……」