あなたには見えますか…………

俺はその日の夜、部屋から満月の明かり

を見ていた。

それは、美しく妖艶に辺りを照らし出し

ている。

しかしその美しく輝く明かりは、この村

では、美しくも哀しい悪魔の光に見えて

しまうのだ。



「またかよ……

また満月の夜が来たんだ……

頼むから……もうやめてくれよ……

これ以上、哀しいことが起きたりするの

は……」



俺が祈るように一人話すその言葉は、満

月の光に虚しく消されるように、辺りを

さ迷う。



さ迷いながらその言葉は、届くこともな

いのだ。



そして、雅子が嘲笑うかのようにまた、

哀しい悲劇が起きてしまう。






満月の夜に。