あなたには見えますか…………

しかし、カオルはそんな素振りを見せず

に、俺の側に近付いて腕を掴んできたん

だ。



「ヒデが、こうやって生きていて本当に

良かったよ……

それに私がもし、声を聞いてしまってた

ら、二度と近寄りたくないと感じるはず

だから……」



「カオル、ありがとう……」



「それに、満月の夜に、押し入れを開け

なかったらいいんだからさ!」



「そうだけど……」



「ごめんね、こんな話をしちゃって。

違う話しよっかぁ!」



カオルは、俺が苦しく悲しげな顔をして

るのを考えて、応対してくれていたんだ

とすぐ分かった。



少しでも気が晴れるようにと。




しかし俺たちは、また悲しみの淵に立た

されてしまうことになる。




今月も現れる満月の夜に。