あの日から、数日が経過したものの、俺

たち家族は、ぎこちない関係になってし

まっていたんだ。



なにより家ではあの少女、雅子の話を

するような空気では無くなり、お爺ちゃ

んもめっきり口数が減っていた。



父親や母親もまた、お爺ちゃんに対する

様々な感情があるのだろう。

決して、憎しみなどは感じられないもの

の、今までみたいな自然な接し方ではな

くなっていたのが、感じ取られるんだ。


俺は、あの時の怪我は回復の傾向にはあ

り、捻挫の症状は引いてきている。

しかし、松葉杖での生活は、相変わらず

だ。



俺の夏休みは、こんな悲壮な結末を迎え

てしまったまま、明けようとしている。



そして俺は、新学期を迎えるんだ。



二人の仲間のいない、新学期を。