お爺ちゃんは、ゆっくり立ち上がると、

俺たちには目を向けずに自室へと、歩を

進めて行ったのだ。



そして、両親、俺とカオルは、しばらく

してから話し出していたんだ。



「爺さんも、悪気があってしたんじゃな

いんだから……幼少期の軽はずみな行動だ

ったんだろう……」



「でも、お父さん……それで人がいなくな

ってるのも……事実だよな……」



「あぁ……未だにその雅子ちゃんは、怨み

の想いがあるんだろう……

でも、爺さんをもう、責めないであげて

ほしい……カオルちゃんも」



「はい……幼少期の何気ない行動ですもん

ね……でも……」



「そうだよな……俺も何気ない発言でオサ

ムには……」



俺は、自分もまた結果的に人を苦しめた

事をしていたんだ。


お爺ちゃんを責めるなんて、俺には出来

ないんだよ……