あなたには見えますか…………

「え? そんな話は村にはまだ……

どういうこと?」



「またお爺ちゃんが帰ったら話すよ……」



俺はそのまま自室に入り、混乱している

頭を冷やしていた。



怒りの気持ちを少しでも、冷ましたかっ

たんだ。



その少女に対する恐怖は強い。

体の無い者が相手なのだから……

しかし、その存在に対する怒りもまた、

強いから……



俺は、今まで生きてきた中で、きっと一

番今が恐ろしい顔になっているのかもし

れない……



俺は、マキちゃんの父親が話してくれた

言葉を思い出していた。



「憎しみは憎しみを生む……か……

この俺の憎しみは、誰かの憎しみにまた

変わるのかな……」



俺は、部屋の窓から真円から欠けり出し

ている月をみながら、呟いていた。