あなたには見えますか…………

俺は不安と恐怖、そして悲しみに怒りと

様々な感情が混ざり合い過ぎている日常

に、精神的な疲労感は、計り知れなかっ

た。



しかし、そんな日常に安らぎをもたらす

愛情の偉大さも、再認識することができ

ていたのだ。



カオルがいるから、生きていける、頑張

れる。

そして、それを失う怖さもまた脳裏をよ

ぎるのだ。

当たり前にあった仲間との日常が、一瞬

にして消え去った恐怖を、実感したから

だろう。



「なぁ、カオル……次の満月までまだ一ヶ

月近くはあるけど、その間も解決するま

では押し入れは、開けないでほしい……

もし万が一って、考えたらさ……」



「わかった。大丈夫だよ、ヒデ。

私はヒデの前から消えたりしないから。

だから、ヒデも気を付けてよ……」



「ありがとう、カオル……

早く解決出来るように頑張ろうな」



「そうだね、出来る事を頑張らなきゃ。

あの二人の為にも……」



俺は、カオルを家まで送り届けると、自

宅に向かい、足早に歩き出していた。

言い伝えの真相を、お爺ちゃんに聞くた

めに。