俺は、自然とカオルの住む家に足が向か

っていたんだ。



もしカオルもいなくなれば、俺はもう生

きる力は無くなるだろう。

将来も二人で一緒にいることを誓いあっ

た恋人。



きっと、オサムやマキちゃんも、そうい

った将来を夢描いていたことだろう。

その温かく優しさに満ちた願いを、壊し

た少女に俺は怒りを覚え出していた。



「許さない……」



俺は一人呟くも、その声は少女に笑われ

ているような感覚に襲われていたんだ。