「マキまで……どうして……

二人ともいなくなっちゃったよ……

私たちを残して……二人とも……

そんなの……イヤ……イヤだよ……

イヤアアア アアアアアア……」



断末魔の叫びのごとく、叫ぶカオルの肩

を抱きながら俺は、無意識の内にカオル

を連れて歩き出していた。



行く先なんてどこでも良く……

ただ、この場所から離れたかった。

こんな現実から逃げて遠くに行きたかっ

た。

今こうして生きているカオルと、どこか

遠くに行きたかった。

なにもかも記憶を消去して……