あれから少しした。 蛍がすごく寒そうで…。 「蛍、大丈夫?寒いでしょ。」 「…まぁ。」 「コート返すよ?」 「いい、着とけ。 お前が風邪ひいたら困る。」 「私だって、蛍が風邪ひいたら困る。 私だけじゃなくて、お兄様だって。」 「じゃあ、暖めろよ。」 「コート返せばいいの?」 「ちげぇよ。 こうすんの。」 蛍はそういって、私を引き寄せ、抱き締めた。