「別にいいですけど…。 私も神谷くんの気持ちが分かりました。 確かに言い寄られるのは、好きじゃないです。」 「だろ。」 「あっ、血、出てますよ?」 私は、神谷くんの唇が切れていることに気がつく。 「…あぁ。 これくらい大したことねぇよ。」 「でも…。」 「いいから、行くぞ。」 神谷くんは、軽く身だしなみを整えて、歩き出した。