眠れる保健室の美少女



ほんと調子が狂う。


「おい、ねぇちゃん。」

ガチャっとドアが開き、1つ下の弟の翔(かける)がひょこっと頭を覗かせた。


「もー…何?!」

「さっきからうるさいんだけど。静かにして。」

「あー、ごめんごめん。」


謝ったのに、なぜかブスッとした顔をする翔。

何も言わず、翔は扉を閉めた。


翔は今年中3だから、受験生になる。

あたしより頭いいからきっと上の学校を狙って勉強してるんだろう。

夏は追い込みの時期だし、受験生ってだけでイライラするから当分は喋るのやめようかな。


「…だるい。」

午前中でかなり体力を使ったのか、体が重く感じる。