会議が長いって知ってるのに、なぜかよっこいせ、と言って丸椅子に座る日向。
しおりちゃんに用事があるなら帰って待ってたらいいのに。
「なぁ、しおりに婚約者いんの、知ってた?」
「……指輪、でしょ。」
あたしが言うと、日向はこくんと頷いた。
そう、実は、1ヶ月くらい前からしおりちゃんは左手の薬指に指輪をはめていた。
「前から彼氏いたのは知ってたんだけどさ…結婚だって。まじ笑えねぇよな。」
ははっと、日向は掠れた声で笑う。
この時、あたしはわかってしまったんだ。
…日向はしおりちゃんが好きなんだと。
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