「あー…えっと。…失礼しました。」
ハッと我に返り、一歩下がって扉を閉める。
するとすぐにガラッと勢い良く扉が開いた。
「何出てってんだよ。」
日向のブスッとした声が頭上から聞こえる。
「…いや、別に。」
あたしはそろそろと保健室に入って、丸い椅子の上に座った。
「今日はどうしたの?」
「夏は部活だし、暇だし、保健室行こうかなって思ったんだけど…」
そこまで言って、横にいる日向を横目で見る。
「あぁ、日向?全然いいよ、気にしないで。」
「でも兄弟でいたんだし、なんか話があったんじゃないの…?」
邪魔しちゃったかな、なんて思いながらあたしはしおりちゃんに聞いた。

