「どうって、どうもないから。」

あたしが襲われかけたあの日のことは、実は夏には言ってない。

だから、あたし達が名前で呼び合うようになったことも知らないんだ。


「それ、あたしも聞きたいかも。」

「え。」

「だよね先生!」

しおりちゃんにまで言われ、あたしは逃げ場がなくなった。


しおりちゃんは日向のお姉さんだから、余計言いにくいんだけど…


2人の圧力に負け、渋々あたしは話すことにした。


「…ということです。」