意味のわからない発言に、あたしは顔をムッとさせる。
「呼べよ、日向って。」
だんだん距離を縮める園田日向。
後ろは扉で、あたしの逃げ場はない。
とうとう目の前に来た園田日向を見上げて、あたしは睨む。
「仲直りだと思えば良くね?」
「なにが仲直りよ、ケンカなんかしてないでしょ。」
「じゃあ言っていいんだ、眠れる保健室の美少女は猫を被った性悪女ですって。」
「うっ」
しまった、1番の弱みを握られてることを忘れてた。
「どうする?俺を呼び捨てにするか、本性バラされるか。」
「…名前に決まってるでしょ。」
「はい決まり。ほら。」
人差し指をクイクイッと曲げて、呼べと合図する園田日向。

