「っはぁっ…!」 口元を覆っていた手を離され、くるりと体が回された。 見覚えのない顔が、あたしを見ながらニヤニヤと笑う。 怖くて怖くて、声も出ない。 だんだん近づいてくる顔。 何をされるかなんて一目瞭然。 腕を固定されて逃げることができないあたしはぎゅっと唇を噛んで目をつむった。 誰かっ… 誰か助けて…っ 「なにっ…してんだよてめぇ!!!」 その声と同時に、ガッと鈍い音がした。