「イチゴ!」 「イチゴだぜ、イチゴ。これは行くしかねぇだろ。」 「イチゴ好きなの?」 「果物の中ではダントツだな。」 なんて言って、日向は子供みたいに笑った。 それが少し可愛くて、不覚にもドキッとする。 「よし、行くぞ。」 「奢り?」 「んなわけあるか」 「ケチ」 「ケチで結構」 機嫌がいいから奢ってくれると思ったのに。 あたしへズンズンと歩く日向の後ろ姿を追いかけた。