「そうなんだ。たい焼き好きとかなんか柄に合わねぇな」 ふっと笑う日向を見て、あたしもつられて笑った。 「よし、買いに行くか。」 「あ、うん…」 よっこらせっと言って立ち上がった日向。 …おっさんみたい。 「まだ暑いから帽子かぶってけよ。」 「うん」 さりげない優しさに、なんだか胸が鳴る。 もう…なんでこんな時に優しくするの。 ダメダメ。 「何してんだよ、早く行くぞ」 「っ…ごめん!」 …これは一時の気の迷いなんだから。 そう言い聞かせて、あたしは部屋を出た。