「ほら。」
目の前に突き出された漫画のページには、さっきあたしがされたことが描いてあった。
イケメン男子が、主人公の女の子に近寄って好きだよと囁くシーン。
日向はこれをあたしで再現していたんだ。
「…最低。」
ギロっと日向を睨む。
「のわりには、顔は素直だったな。」
だけど、本人は気にせず涼しい顔をしながら言う。
「うっさい!!!!出てけ!!!」
あたしは棚にある漫画を何冊か取り出して日向に向かって投げた。
「っぶね!!投げんじゃねーよ!」
穴があったら入りたいくらい恥ずかしい!!!
まんまと乗せられてドキドキしたあたしが馬鹿じゃない!!
「悪かったって。ごめんな?」
あたしが投げた漫画を拾いながら謝ってくる日向。

