「ごめん椎香!あたしも帰る!プールのことはまた連絡するね!じゃ!」

「あ、うん、おっけ!」


バタバタと階段を降りる音が部屋に響く。

「ふぅ。」

玄関の扉がガチャリと閉まったところで、日向は漫画を閉じた。


「…男子が読んで面白い?」

「いや、全く。」


じゃあなんで読んだの…

「キュンッとかなかった?」

「なる理由がわからない。」


…聞いたあたしがバカだった。


この漫画、あたし結構好きなんだけどな。

そう思いながら、あたしも漫画をペラペラとめくる。