「さ、行こう!」

「ん。」

「あっ…」

そう言ってかばっと立ったから、軽い目眩があたしを襲った。

倒れるのを覚悟でぎゅっと目をつむる。


「っぶね!」


だけど、あたしの体は日向によって支えられた。

「ごめっ…!…ありがと。」

触られたところがなんだか熱くなって、あたしはすぐに日向から離れた。


「ったく…。ほら。貸してやる。」


目の前に出された日向の手。


どういうことを言いたいのか、あたしはすぐにわかった。


貸してやるって…