「ちがうし……」


違うもん。


…違う違う。


こんなの知らないし。


自分に言い聞かせて、あたしはすぅっと深呼吸をした。


隣の日向を見ると、腕と足を組みながら寝ていた。

…どこまで偉そうなの。


あたしは少し近寄り、顔を覗き込んだ。

王子の顔なんかまともに見たことなかったからね。


「まつ毛ながっ…」

男だよね?こんな長いんだ…