「ん?」
休憩しようと近くの自販機でペットボトルを買っていた時、遠くの方からしおりちゃんらしき人が前から歩いてくる。
男の人といるみたいだけど、顔が見えない。
深く帽子をかぶって俯きながら歩いてる。
…もしかして、彼氏さん?!
「しおりちゃーん!」
きっと彼氏さんだろうと思って、あたしはしおりちゃんに駆け寄った。
「え、椎香ちゃん!?」
しおりちゃんがそう言った瞬間、隣を歩いてる男の人がばっと顔をあげた。
「…うげ。」
その男の人が誰かわかって、つい言ってしまった。
「うげって、失礼なやつ。」
そう言って、日向は無表情で言う。
さっき電話したばっかりだから、少し緊張した。

