「そうよ。私の代わりにかつて私の愛した彼に想いを伝えてきてほしいの。」 「あなたが行けばいいじゃない。」 「私は行けないわ。彼に会えなかったの。 たった一度きりの霊になるチャンスを無駄にしてしまったの。 お願い。あなたに、あなたのチャンスを私のために使って欲しいの。」 女性は伏し目がちにうつむいた。 まるで、先程の私のようだ。 「あなたのためにチャンスを使うとどうなるの?」