「ねぇ則子、昨日土伊東くんとデートだったでしょ?何時まで一緒だった?」
気が付いたら朝だった。
私は家のベッドで目が覚め、普通に学校へ登校した。
あの現場が夢だったかのように
『こんばんは』
あれから土伊東桐耶と私が、何を話したか覚えていない。
私がいつ家に戻ったのかも。
ただ手元には、昨日買った参考書が確実に存在していた。
「何時まで…?七時くらいだったかなぁ。ほら今日小テストだし、早めに帰ろうかって……」
そうやって少し照れ臭そうに微笑んだ則子の顔色は、何故かすぐれなかった。
「則子……なんか顔色悪くない?」
「え……」
少し目を見開いて、そのまま則子は俯いてしまった。
そのまま則子は何も言わなかったので、私も深く詮索はせず、席に着こうとする。
「……雪乃ちゃん、あたし……」
「ん?」
何か言われたような気がしたが、そこで先生がやってきたのでお開きとなった。



