いつまでたっても空き地の風景だった。 気が付けばベッドの上を期待しているのに。 「どうして夢から覚めないの」 黒々と腐っていく足元の雑草を見つめながら、私はただ呟いた。 「……土伊東くん?」 そして何も言わないその存在を見上げた。 土伊東桐耶は平然とそこに立っている。 彼は説明する気もないのだろう。 その目は則子の残骸を確認し、静かに立ち去った。