淡雪の恋




「んっ………」



朝日の眩しさでわたしは目覚めた。



「あれ……氷雪?」



昨日は一緒に寝ていたはずなのに。


どこ行ったんだろう…待ってたら戻ってくるかな?



わたしはまた寝ころんで空を見上げた。



わたしが生まれたとき、空が淡い青色をしていたこと、今でも覚えてる。


わたしの最初の記憶は真っ白な光と青色の空、そしてそこにいた氷雪だから。


今見上げている空はそのときのものよりも濃い青色。



「春が、近いからかな……」



……はっ!



「い、今のは春じゃなくて季節の春で!!」



って!!


何に言い訳してるんだろう。



「はぁーーー……」



思わずため息が漏れてしまう。



「春……」



トクン…トクン……



春のことを思い出す度に胸が高鳴るのも、きっとわたしが春に恋してたからなんだね。



「淡雪」



声が聞こえて振り返ると氷雪が立っていた。



「氷雪、おはよう。朝起きたら氷雪いないからびっくりしたよ」


「あはは、ごめんな」



ぽんぽんとわたしの頭を撫でる氷雪。



「今日はどうするんだ?」


「え?」


「ほら……今日も、おりるのか?」


「………」



どうしよう……


はっきり言って、昨日の氷雪の話はわたしを混乱させた。


今も……



自分がどうしたいのか、よく分からない。


でも、分かってることもある。



わたしまだ、消えたくない。



でも、そう願うのは、わたしが春と一緒にいたいからだから。



「うん。おりるよ」



春に、会うために。



「…そうか。無理だけはするなよ?」


「うん。ありがと」



本当にありがとう、氷雪。


わたしの大切なお兄ちゃん。