それから時間は流れて、春と初めて会ってから二ヶ月が経っていた。
「ふふっ…」
「どうした?」
「んー、時間が経つのは早いなぁーって」
「あぁ…そういえばもう会ってしばらく経つな」
あいかわらず二人でブランコに乗りながらのんびりと話していた。
「あ。春に聞きたいことあったんだ」
「何?」
「うんとね、今日はなんか町がそわそわしてたから、何かあるのかな?って」
「あぁ、バレンタインのこと」
「ばれんたいん?」
春が言うには、バレンタインとは女子が好きな男子にチョコ?っていうものをあげる行事なんだって。
恋人たちのイベントにもなっているらしい。
人の文化って面白いなぁ。
「春はもらったの?」
「もらってない」
「え?もらってないの?」
春、かっこいいし、春のこと好きの女子なんていっぱいいそうなのに。
意外すぎる。
「もらってないって言うより、もらわない」
「??」
どういう意味?
「チョコ、苦手だし」
「あぁ、なるほど」
嫌いなものもらっても困るだけだしね。
あ、でも女子が勇気出してあげるものだよね?
うーん……それを受け取らないっていうのもあんまりよくないよね。
……わたしには難しい問題だ。
「それでも持ってくる女子がいるから、これ」
「?何それ?」
春が取り出したのは、なんか……なんだろう?
丸い器みたいで、一部に板みたいなのをつけている。
どこかで見たことあるような……どこだっけ?
「あ!思い出した。それ頭に置くやつだ」
「ふはっ、置くやつって……普通は被るって言うんだよ」
「そうなの?」
また一つ、わたしは言葉を覚えた!


