「運命、かぁ……」
なんだか素敵な言葉だなぁ。
「それじゃあ、わたしが冬しか生きられないことも運命なんだね」
ふと頭の中に浮かんだこと。
わたしたち雪の精は春を生きることができない。
それは変わらない、変えられないことだから。
「……そう、だな」
どこか躊躇ったというか……いつもより歯切れが悪いように感じて春を見ると、春は考えごとをしているみたいだった。
うーん……これは話しかけてもいいのだろうか……
「春ー?どうしたの?」
「……いや、なんでもない」
「そう?」
あ……なんかさっきと会話が逆転してるや。
ふふ、と笑みをこぼすと春に訝しげに見られてしまった。
「ねぇ、春」
「何?」
キィ、とわたしは少しブランコを揺らす。
「わたしは雪の精で、春に触れることはできない。
だから頭を撫でて慰めてあげることもできないし、ぎゅって抱きしめてあげることもできない」
春は何も言わずにわたしの話に耳を傾けていた。
わたしは春みたいに恋をしたことなんてないから、はっきり言ってどんな言葉をかければいいのか分からないけど…
「でもね、春が寂しいとか辛いって感じるとき、わたしが側にいてあげる。
いっぱいお話して、春といっしょにいるからね。
だから春は大丈夫だよ」
わたしはブランコから飛び下りて振り返る。
「それに、本当に春の運命の人ならきっともう一度会えるよ。
だって運命の人だもん」
にこり、とわたしは春に笑顔を向けた。
けど……
春はわたしを見て俯いてしまった。
何?わたし何かした?
え、わたしの顔見てから俯くなんて……そんなにヘンな顔してたかな?
それともやっぱり、恋もしたことないわたしにいろいろ言われるなんて嫌だったのかな?


