◆Loves to You◇【短編集】





“ピンポーン”





「春菜大丈夫か?早く入んな!!」




チャイムを押したらすぐにエプロン姿の旬が出てきた。




何年ぶりだろう…

旬の家に来るなんて。



小さい頃はよくこうやって遊びに来たっけ。





「どうせ誰もいねぇからさ、そこ座ってゆっくりしてて。今、あったかい飲み物入れっからさ」




「うん・・・ありがと」



旬の家は


両親が会社を経営してて共働き。


夜遅くまで帰ってこないから家事はいつも一人でやってる。


旬は寂しくないのかな…?







「ほら、ハーブティー。ちょっとクセあるけど…まぁ飲んでみ。


んで…どうしたんだよ?」


「えっとね…お母さんが変な男とウチにいて…それで…一緒に寝てて…」






「あぁ…もういい!!春菜には何もなかったんだろ!?ならいい…!!

本当に良かった…」






そう言って



旬は話もそこそこに


急にあたしを引き寄せて両手でおもいっきり抱きしめた。



力強くて少し痛いぐらいに…。





それに



旬の身体は

何にも例えられないくらいあったかかった。



本当に本当にあったかすぎるよ…。