“ピンポーン”
「春菜大丈夫か?早く入んな!!」
チャイムを押したらすぐにエプロン姿の旬が出てきた。
何年ぶりだろう…
旬の家に来るなんて。
小さい頃はよくこうやって遊びに来たっけ。
「どうせ誰もいねぇからさ、そこ座ってゆっくりしてて。今、あったかい飲み物入れっからさ」
「うん・・・ありがと」
旬の家は
両親が会社を経営してて共働き。
夜遅くまで帰ってこないから家事はいつも一人でやってる。
旬は寂しくないのかな…?
「ほら、ハーブティー。ちょっとクセあるけど…まぁ飲んでみ。
んで…どうしたんだよ?」
「えっとね…お母さんが変な男とウチにいて…それで…一緒に寝てて…」
「あぁ…もういい!!春菜には何もなかったんだろ!?ならいい…!!
本当に良かった…」
そう言って
旬は話もそこそこに
急にあたしを引き寄せて両手でおもいっきり抱きしめた。
力強くて少し痛いぐらいに…。
それに
旬の身体は
何にも例えられないくらいあったかかった。
本当に本当にあったかすぎるよ…。

