「じゃああたしバイトだからここでね、また明日」
「うん♪ありがと、愛実、バイバイ」
そう言って家の近くの路地で別れた。
楽しかった時間もここまで…。
一歩一歩
家に近づいてくるにつれて、なんだか気持ちが落ち込んでくる。
これからまた苦しくて、孤独で寂しい時間。
どうせ帰っても誰もいないアパート。
・・・そう思ってたけど
「ただいま…」
ドアを開けた瞬間、信じられない光景が目に飛び込んできた。
いるはずもないと思っていた母親が、見知らぬ男性とあたしのベットの上でなんとも言えない声を上げて抱き合っている。
「何よ…いいところなのに、あんたまた今日も早いの!?」
「何だよ…お前娘いんのかよ?でも、結構カワイイじゃん」
タバコに火をつけて、薄ら笑いを浮かべながらその男が近寄ってくる。

