「春菜、何も聞いてない?」
「うん…留学するとは聞いてない」
「じゃあ〜ガセだね、きっと。ほら溶けちゃう前に食べなきゃ!!」
旬の夢は
“世界一の笑顔を与えられるパティシエなること”
「お菓子食べたら、どんな泣いてる子だって笑顔になるじゃん?だから俺お菓子好きなんだよ!!」
口癖みたいにいつもそうやって言ってたっけ…。
小さい頃の夢なんて叶うはずもなくて、たいていの人はあきらめちゃうけど
旬は高校3年生の今になっても、まだ自分の夢を変えることなく追いかけてる。
留学かぁ・・・。
夢のないあたしと違って、旬は自分の目標に向かってどんどん遠くにいちゃうんだな。
今までずっと一緒だったけど
もう今度はお別れかな。
チョットぐらい教えてくれてもいいじゃん…。
旬のバカ・・・大バカだよ…。

