◆Loves to You◇【短編集】




「春菜、何も聞いてない?」


「うん…留学するとは聞いてない」


「じゃあ〜ガセだね、きっと。ほら溶けちゃう前に食べなきゃ!!」





旬の夢は

“世界一の笑顔を与えられるパティシエなること”



「お菓子食べたら、どんな泣いてる子だって笑顔になるじゃん?だから俺お菓子好きなんだよ!!」



口癖みたいにいつもそうやって言ってたっけ…。




小さい頃の夢なんて叶うはずもなくて、たいていの人はあきらめちゃうけど


旬は高校3年生の今になっても、まだ自分の夢を変えることなく追いかけてる。




留学かぁ・・・。





夢のないあたしと違って、旬は自分の目標に向かってどんどん遠くにいちゃうんだな。




今までずっと一緒だったけど


もう今度はお別れかな。


チョットぐらい教えてくれてもいいじゃん…。






旬のバカ・・・大バカだよ…。