接客は、戦いだ。


お休みの日のお話です。


昼間、アパートの部屋で大の字になって爆睡していると、玄関のチャイムの音が鳴りました。


目をこすりながら出てみると、ドアの前には見覚えのあるおばちゃんが立っていました。


寝ぼけて、ぼんやりとした頭で、そのひとが近所の八百屋の店員さんであることを思いだし、挨拶しようとすると、それをさえぎるかのようにしておばちゃんは早口で言いました。


「図書カードちょうだい」「……は?」


意味がわかりませんでした。ここはボクんちです。図書カードなんて販売しておりません。


話を聞くと、事情はこうでした。