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かき氷と掴み取りの駄菓子を食べ、おみくじを引いて輪投げをやった。おみくじでおもちゃの指輪が当たり、輪投げでお絵描き帳を獲得した利乃ちゃんは、とても嬉しそうだ。
「利乃ちゃん、ちょっと来てくれる?」
一通り回り、そろそろ持ち場に戻ろうとした時。職員に呼び止められた。その顔が嬉々と高揚に満ちていたから、あたしは何の用件かをすぐに悟った。
「ゆのちゃんも?」
繋いだ手を離そうとしたら、利乃ちゃんが振り向いた。
「ヨーヨー売り場で待ってる。」
「うん、わかった。じゃあね、またね。」
聞き分けの良い利乃ちゃんは、あたしの右手を職員の右手に替えて歩いていった。頭のリボンがひらひら揺れている。
あたしは新しく缶のソーダを買って、ヨーヨー売り場へ戻った。
「センセイ、交代する。」
「もういいのか?楽しめた?」
センセイは律儀に接客をしてくれていたらしい。
プールのヨーヨーはもう二十個程しか残っていない。売り始めた時と比べるとだいぶ淋しい感じになってしまっている。赤や青の人気色はもうなくて、白や黒や紫ばかりが浮かんでいるだけ。
「まあまあ。」
「あれ、あの子、利乃ちゃんは?」
「なんか話あるとかで職員の人が連れてった。」
空いている椅子に座る。間にプールを挟んで並ぶ形になった。

