「あえなかったら、さみしいな。」
「……大丈夫だよ、きっといつか会えるよ。」
こちらを見上げて眉をハの字に下げる顔に、ついその場を取り繕う言葉を吐いてしまった。
こんな綺麗事、あたしは一番嫌いなはずなのに、利乃ちゃんを元気づけるための言葉を言わずにはいられなかった。心が、痛んだ。
「そうだね。りのちゃん、かみさまにおねがいする!ゆのちゃんもいっしょにおねがいして。」
「わかった。」
この子はいつ全てを知るのだろう。いつ残酷な現実と向き合わなければならないのだろう。現在身体に残っている傷痕は薄れてゆく。けれども、真実を理解する年齢に達した時、彼女はもう一度傷付かなければならない。
「かきごおりとおみくじ、さんびゃくえんでかえる?」
「買えるよ。」
「やったー!りのちゃん、いちごのかきごおりたべる。」
可愛くいい子にしていれば。里親になってくれる人がすぐに現れるに違いない。そんな算段で娘に洋服と髪飾りを贈ったあの母親を、あたしは思いやりだとは思わない。非情で冷徹で、最低だ。あたしに暴力を振るい続けた父親よりずっと。

