「ゆのちゃんといると、ゆのちゃんといるみたいで、すごくたのしいの。でもあたらしいぱぱとままがきたら、もうままとぱぱとゆのちゃんにはあえないのかな。」
あたしといると、妹といるみたい。名前が同じだから。きっと利乃ちゃんはあたしの名を呼ぶ度に、会えない妹に寄り添う気持ちでいたのだろう。
実の母親も義理の父親も、彼女がいらないのだ。利乃ちゃんをどこか別の家の子にーー里子に出してしまおうとしているのだ。
「……。」
返す言葉がない。自分の置かれている環境を理解するには余りに幼すぎるが故に、疑いなく妹と母と父を慕っている。どちらからかはわからないが、身体に傷を付けられるような暴力を振るわれたのに。四歳の純粋さと大人の身勝手さは、残酷だ。
夏祭りの、二つ目の目的。それは、里親になりたい人のための見学会。
この施設を運営している市は里親制度を推奨し、里親と里子を結びつけることに力を入れているらしい。里親になるには所得や養育環境等の厳しい条件をクリアする必要がある。しかし、その条件が揃った上で里子が欲しいという夫婦は世の中にたくさんいるようだ。
そのような人たちが里子に欲しい子を選ぶ場として、地域交流会が一役買っている。あからさまな選別ではないけれど、集団の中でどのように振る舞っているのかという点を観察するにはもってこいだろう。

