ぐるりと辺りを見回せば、子どもやその親の他に、夫婦が何組かいるのが目に入る。そのうちの一組は、ブランコの横で職員とフランクフルトを売る小学生二人に話しかけていた。職員が会話を取り持っているように見える。
「ねえ、ゆのちゃん。」
「どうしたの?」
「きょうりのちゃんのあたらしいぱぱとままがくるって、ほんとかな。」
驚いて隣を向くと、箸の先に付いたキャベツを食べながら利乃ちゃんは話を始めた。あたしは喉が渇いてお茶を一口飲んだ。
「ままがね、かわいくしていいこにしてたら、あたらしいままとぱぱがくるんだよって、いってたの。」
「……。」
「ままはりのちゃんのままだけど、ままとぱぱはゆのちゃんので、ぱぱはりのちゃんがきらいなの。だからりのちゃん、ここにいるんだって。」
顔を見ることが出来ない。その声は悲しそうでも嬉しそうでもないけれど。
拙い言葉から大体の状況は察した。利乃ちゃんはママの子だが、妹はママとパパの子。つまり利乃ちゃんの母親は彼女を連れて再婚し、新しい夫との間に女の子を産んだ。しかし、夫は実の子でない利乃ちゃんが疎ましくなったのだ。そして虐待。
なんて自分勝手なのだ。あたしのことではないが、本気で腹が立つ。

