「ゆのちゃんとしんちゃんに、ぷれぜんと。」
はい、と手渡されたのは、細長く切った折り紙を鎖のように繋げて貼ったもの。昨日未就学児が談話室で大量に作っていた。この折り紙の鎖は屋内や屋外の至る所に飾られている。
「ねっくれすだよ。」
「ありがとう。」
センセイは受け取ったそれをあっさり首に掛けた。大人の男にはアンバランスだが、センセイも、そして利乃ちゃんもにこにこと笑っている。どうやらものの数分で二人の間に壁はなくなったらしい。
そんな光景を見せられては、あたしも倣う他ない。
「ゆのちゃん、かわいい!」
変なの。最近のあたしは今までだったら考えられなかった出来事の連続だ。折り紙のネックレスを身に付けるなんて、誰が予想出来ただろう。
けれども、なんだか、まあいいやと思えてしまう。今日も暑いからだ。暑さは全てを流れに逆らわないように運んでゆく。夏のせい。

