ステップ・ブルー


* * * * *



「じゃあまずは英語から見ようか。」


一時に学校に到着して会議室に向かった。会議室は職員室の隣にあり、ホワイトボードとエアコンがある。三十五度以上の日は冷房を入れてくれるという約束だ。夏休みが始まって早一週間余り、平日は毎日学校に来ている。

センセイの提案でまずは英語と数学から取り組むことになった。センセイは数学の教師なのだが、全教科教えられるらしい。意外と凄い。

英語の課題は中一の復習から全てが網羅されてあるので、課題ベースに進んでいる。センセイに教えられながらノートを取り、課題を一緒にやって、終わらなかった分は宿題に回される。


「お、満点だ。なかなかやるじゃないか。」

「まだ中一の復習でしょ。簡単だよ。」

「そうでもないよ。浮田の理解力が良いからだ。」

「褒めて調子に乗らせようとしてる?」


そういうつもりじゃないんだけどなあ、とセンセイはくしゃっと笑って課題を返してきた。紙上に赤い丸が所狭しと並んでいる。センセイの丸は大きい。


「施設はどうだ?友達出来たか?」

「出来てない。いらない。」

「そうか。でも少しは周りの子と話すことはあるか?」

「ない。そういう感じじゃないし。」


施設の様子を思い浮かべる。小さな子たちは幼稚園のように仲良く遊んでいるが、年齢が上がるにつれてその傾向は顕著に薄くなる。一部個人的に交流している人がいる程度。

あたしの毎日は、センセイと宮野さんの二人に関わるだけで終わってゆく。