「通知表に書いてあるように、一年の二学期から成績はほぼ一しかついてない。」
「うん。」
「内申点は三年間分全てを審査されるんだ。もう過ぎた分はどうしようもないけど、これからの分はなんとかなる。ということで課題だ。」
「意味がわかんない。」
「先生方からいただいた課題をきちんと提出して、内申点を上げて貰うんだよ。」
何が楽しいのか、まるで新しい遊びを思いついた少年のような笑みが弾けた。
何人もの教師に事情を話してお願いをして、そして課題を受け取ってきたのだろう。あたしのために。
「……どれからやればいいの。」
この日からセンセイとあたし、二人だけの夏期講習が始まった。