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きっかけは、痣だった。
「うわ、結乃どうしたの?その怪我。」
「わ、ほんとだ。超痛そう、大丈夫?」
体育の授業前。更衣室で着替えている際に友達に太ももの痣が見つかった。見つからないように隠しながら着替えていたのだが、いかんせん痣が大きすぎるし、こそこそするのも怪しまれる。
「あはは、ちょっと昨日ドジって転んじゃって。でも見た目ほど痛くはないよ。」
嘘をついた。笑ってごまかした。
「そっか。気を付けなよ。」
その場ではそれ以上突っ込まれなかった。乗り切れたと思っていた。
その頃のあたしは家にない居場所をなんとか学校に確保しようとしていて、だから親に殴られているなんて言えなかった。

