放課後、あたしは誰もいなくなった教室にいた。

三年六組、三番。あたしに割り当てられた番号、場所。

この教室には初めて入った。所狭しと雑多に並んだ机。塗装の禿げた椅子の脚。教科書の詰め込まれたロッカー。もちろん、三番のロッカーは空だ。

ありふれた、どこにでもありそうな教室。けれど新鮮だった。


もうしばらくまともに授業を受けた覚えはない。勉強などとうに追いつけなくなっている。

窓の向こうに落ちる夕焼けを見ながら、どこか遠い異国にいるような気持ちが拭えずにいた。