センセイの話は澱みなく。きっとこの出来事を表す言葉が心にたくさん詰まっているのだ。
「でも意外と人生って続くんだよな。世界は終わらない、時間は過ぎる。曲がりなりにも教師になって、生徒に授業したりテスト作ったり。こうして浮田と勉強したり、な。」
視線を感じて左に目をやる。笑顔がそこにある。
「だから浮田も大丈夫。いつか、そんなこともあったよな、って思える日が来るよ。」
世界は終わらない、時間は過ぎる。心の中で繰り返す。
本当に経験してきた人が言うのだから、そうなのだろう。あたしもいつか、吹っ切れた顔で今を語れる日が来るのかもしれない。この瞬間では想像つかないけれど、いつか。
「センセイは教師になってよかった?」
「もちろん。」
返事に濁りはない。最初にセンセイを見た時、体育館の壇上で自己紹介をしていた時の姿が、一糸も変わらずここに在る。
「休憩もういい。続きやる。」
苦手なことも超えていけるはず。だって、時間は止まらない。

